良質なたんぱく質ってなに?たんぱく質を示すプロテインスコア
「良質なたんぱく質」って、結構聞く言葉じゃないですか?
でも実際、良質なたんぱく質とそうではないたんぱく質の違いがなんなのか、よくわからない人がほどんどです。
今回のブログは、たんぱく質の質とは何なのか。その違いを詳しく解説します。
「まず結論から言うと、質の高いたんぱく質とは、”アミノ酸組成が人体に近く、身体で有効に使われやすいもの”のことよ」
たんぱく質を分解するとアミノ酸になる
たんぱく質は分解すると「たんぱく質」→「ペプチド」→「アミノ酸」と変化します。
このアミノ酸のうち、私たちの身体で使われるものが20種類。
そのうち体内で合成できない9種類を「必須アミノ酸」と言います。
残りの11種類は、体内で合成ることができるので「非必須アミノ酸」と呼ばれます。
で、このアミノ酸なのですが、一つでも欠けるとたんぱく質をうまく合成することができなくなってしまうんです。
ここにアミノ酸組成の違う「食品A」と「食品B」をご用意しました。
いちばん左側が、必要なアミノ酸量です。
まずトータルのアミノ酸量ですが、明らかに食品Aの方が多いですよね。
ですが実際にどれだけ使えるのかというと・・・
こうなります。
実は体内では、比率の一番低いアミノ酸の分しか使えないらしいのです。
例えるなら、車を作りたいときに10台分のタイヤがあってもボディが一つだと車は一つしかできないのと同じです。
食品Aはバリンとロイシンは多いですが、イソロイシンが少ない。なので使える量はイソロイシンの分のみ。
対して食品Bはトータルのアミノ酸量は多くないですが、バランスが必要なアミノ酸組成と同じなので全部使えます。
この場合、たんぱく質量では食品Aが多いですが、実際の使われ方では食品Bの方が多く使えるのです。
良質なたんぱく質とは、ここで言う「食品B」。
つまり「アミノ酸の配合バランスが人体に近いもの」を指します。
たんぱく質の質を示すプロテインスコア
次に良質なたんぱく質をどうやって見分けるのかを、お話しますね。
たんぱく質の質を調べるには、アミノ酸の配合バランスを表す指標が使えます。
「プロテインスコア」や「アミノ酸スコア」、さらに消化吸収のされやすさを加味した「PDCAAS」など、複数の指標ががあります。
これらはその食品のアミノ酸バランスが、どのくらい人体に近いかを表しています。
ぼくはこれらの指標のうち、「プロテインスコア」を参考にすることをお勧めします。
「アミノ酸スコアの方は、いろいろと政治的要因が入っていそうなの・・・」
「すべての基準の中で、プロテインスコアが最も厳しいものになります」
必要量に対して最も割合が低い数値がスコアに反映
9種類のアミノ酸のうち、一番足りないアミノ酸の割合が、スコアとして反映されます。
つまりスコア100であれば100%利用されるし、スコア50なら50%しか使われないということです。
卵はプロテインスコア100でとても優秀なたんぱく源。
鶏肉で85。
大豆だと56になります。
基本的に動物性食品の方がプロテインスコアは高く、植物性のたんぱく質は低くなります。
つまり、同じ100gのたんぱく質を摂っても、植物性のものは利用できる割合が少ないということです。
まとめ
では本日の内容をまとめておきます。
- たんぱく質の質とは、それだけアミノ酸組成が人体に近いかできまる
- たんぱく質の質はプロテインスコアで確認するのがおすすめ
- 植物性よりも動物性食品の方が、たんぱく質の質が高い