継続的に筋肉を大きくするためには? オーバーロードプログレッシブ
トレーニングにおいて、継続することの次に大切なのが『オーバーロードプログレッシブ』。日本語では 漸進性過負荷(ぜんしんせいかふか)の原則です。
オーバーロードプログレッシブとは、簡単に説明すると”自分の成長に合わせて少しずつ負荷を上げていく”ということ。
ジムにいると、何年もトレーニングを行っているけど全く体が変わっていない人も多く見受けられます。
そういった人たちのほとんどが、この原則に沿ったトレーニングができていないのです。
今回の記事では、筋トレで最も重要な原則である漸進性過負荷について説明しつつ、後半では実際のトレーニングにどうやって適応するのかを説明していきます。
オーバーロードプログレッシブとは
「原則とはルールです。ルールを理解することでゲーム攻略に近づくんですよ」
トレーニングの方法は、いろいろなものがあり正解は一つではありません。
けれど、これは押さえておくべきという”原理原則”は存在しています。
地球で生活する以上万有引力の法則から逃れられないように、トレーニングも、この原則にしたがって行う必要があるのです。
オーバーロードプログレッシブは、トレーニングの原理原則の中でも最も重要なもののひとつ。
漸進性と過負荷、二つの原則を合わせてこう呼ばれます。
ポイントは2つで
- 自分の限界を超えることが必要
- 少しずつ負荷を増やすこと
高みを目指したいのなら、階段を上るように、一歩ずつ確実に上を目指すのです。
限界を超える ~過負荷とは何か~
「トレーニングで筋肥大させるには、自分の限界を超えなきゃなんだって」
筋肉は刺激に適応することで、より強く太くなるものです。
例えば50㎏で10回ベンチプレスができる人が、51㎏で10回できるようになる。そうすれば、筋肉はより強い刺激に適応して太くなります。
余裕すぎる重量でトレーニングをこなしていては、いつまでたっても筋肥大は起こりません。
健康維持が目的の運動ならそれでもかまいませんが、カラダを変えていくのならNG。
余裕でこなせる重量だと、筋肉への過負荷にはならず、筋肥大が起こらないのです。
今まで自分がやってきた重量より少し重い重量。
これまでこなしてきた回数よりも少し回数を多く。
このほんの少しの限界突破が筋肉への刺激となり、筋肥大へとつながるのです。
自分の筋力にあった負荷を選ぶ
筋肥大のために限界を突破することは重要ですが、重すぎる重量は逆に筋肥大を妨げます。
ジムでは思いっきり反動を使って重い重量を上げようとしている人をみかけますが、効率的に筋肥大させたいならおすすめはしません。
筋肥大に重要なのは、筋肉にきちんと負荷をかけることです。
これは、とにかく重いものを扱うことではありません。
扱っている重量と筋肉への負荷は別物なんです。
重すぎる負荷は筋肥大を妨げる
重すぎる重量を扱うと、どうしても反動を使ってしまいますよね。あるいは、効かせたい筋肉以外を働かせてしまう。
すると筋肉にうまく重さが載らず、負荷が逃げてしまうのです。
例えば10㎏で反動を使わずに丁寧にアームカールをやれば、筋肉には10㎏の負荷がかかります。
しかし、無理をして20㎏を反動をつかって挙げてしまうと、筋肉には5㎏くらいしか負荷がかかってないかもしれない。
結果的に10㎏で丁寧に動作をした方が、筋肉への負荷は大きいことになる。
この場合、より筋肥大するのは10㎏でやったときです。
効率的に筋肥大させるには、自分にあった適切な重量・・・
つまり、反動を使わず適切な動作で行える重量を選択することが大切です。
階段を登るように一歩ずつ ~漸進性とはなにか~
「効果的に筋肥大させていくためには、自分の筋力の向上にあわせて負荷を増やしていく必要があるのです」
効果的に筋肥大させるには、常に過負荷になる必要があります。
例えば10㎏でアームカールを行う人が、トレーニングを続けて12㎏でできるようになるとします。
そうすると、次は14㎏、16㎏と継続的に負荷を増やしていく必要があるのです。
なぜならカラダは常に強くなっていくから。
同じ重量では過負荷にはならないんです。
何年もジムに通っているけど全然体が変わってない人は、たいていずっと同じ重量でトレーニングを行っています。
限界を超えるために負荷を増やす工夫をしなければ、いつまでたってもカラダは変わらないのです。
実践編 どうやって負荷を増やすのか
「ここからは、実際のトレーニングの現場でそうやってオーバーロードプログレッシブを適応するのかを説明していきます」
段階的に負荷を増やすためには主に2つの方法が使われます
1、使用重量を増やす
2、回数を増やす
1、使用重量を増やす
まず一つ目が、扱っている重量を増やすこと。
ジムなどを利用していて、細かく重量変更ができる環境にいる場合に有効な方法です。
例えばこれまで50㎏でベンチプレスをやっていたのなら、52㎏に挑戦するという具合です。
元の限界が50㎏で10回なら、52㎏なら9回しかできないかもしれません。
でもそれでOK。52㎏で何度もやってる間に慣れて10回上がるようになります。
そしたら今度は54㎏に挑戦するといった具合です。
2、回数を増やす
次の方法が回数を増やすということ。
これは細かい重量選択ができなくても可能なので、器具が限られている家トレの人でもできる方法ですね。
もちろん、ジムでやってる人にも有効な方法です。
具体的には、腕立て伏せを10回で限界なら、11回を目指すということ。
実際にはそんなすぐに回数を増やせないので、10回で終わらせずに11回目降ろすだけ降ろしてみるとか、降ろした後に少し上げようと粘ってみるとか。
セット数を増やすのもありですね。
いままで3セットなら4セット目をやってみてもいいです。
これまでよりも少しでも”負荷を増やす”ことを目標にします。
どこまでも回数を増やすのはおすすめしない
回数を増やすからと言って、30回40回もできるようになったらあまり有効とは言えません。
バリエーションとして30回40回というような高回数のトレーニングを入れるのはありですが、そればかりでは筋肥大しにくくなってしまう可能性が高い。
目安としては、15回~20回を超えたら重量を増やしたり、よりきついフォームに変えるなどして負荷を増やすべきでしょう。