【脂肪・水分・筋肉】体重変化の3つの要素
ボディメイクをしていくと、当然ですが体重を落としたり増やしたりする必要がありますよね。
特にダイエットとなると、落ちた体重のすべてが脂肪だと思いたがる人が多いですが、実際にはそうではありません。
体重が増えたり減ったりする要因には、脂肪以外にも様々なものがあるのです。
今回の記事では、前半は水分、筋肉、脂肪がどのようにして体重に影響するのかを解説しつつ、後半ではケースワークとしてダイエット初期の体重の落ち方について説明していきます。
体重変化には脂肪・筋肉・水分の3つの要素が絡んでいる
ダイエットをしたことがある方なら、始めてすぐに体重が1~2㎏落ちた経験をした方も多いんじゃないでしょうか。
でもそのあとも同じペースで体重が落ちるかというと、そんなことはないですよね。
その後はもっとゆっくりしたペースで落ちていくはずです。
「これはなぜかというと、何が減っているのかによって体重の落ち方が変わるからなんです」
水分量の変化
わたしたちの身体の60%以上は水分でできています。
その水分は飲み物や食べ物から補給され、古い水は外に出すことで常に入れ替わっています。
そして食事や運動など、様々な要因で水分量は変動する。
たくさん飲めば一時的に体内の水分量は増えますし、大量の汗を書けば平気で1ℓくらいの水分が失われることもあります。
「つまり、水分量は急激に変化するということ」
「そんなにすぐに変化するんだ!?」
例えば、ダイエット直後や運動直後に急激に体重が落ちることがありますよね。
この時に「やった!〇〇㎏脂肪が落ちた!」なんて思う方も多いですがそれは完全に間違い。
このような数時間~数日での急激な体重の増減は、そのほとんどが水分量の変化によるもの。
ではなぜ、水分量はこのように急に変化するのでしょうか。
汗による脱水
まず考えられるのは、運動や暑さなどによって、大量の汗をかくことで水分が失われるパターン。
運動直後や寝汗をたくさんかいた朝に体重が急に落ちているのは、主にこのパターンですね。
体内の糖質の減少・増加
数日間急に食事を減らした時の大幅な体重減少は、このパターンが多いですね。
わたしたちの身体では、おもにグリコーゲンという形で常に糖質を蓄えています。
グリコーゲンは肝臓や筋肉内に数百グラムほど備蓄されており、日常生活や運動を行うときのエネルギー源として使われます。
食事を減らすと、食事からのエネルギー摂取が足りなくなってグリコーゲンの備蓄量が減少。
そして、グリコーゲンは体内に水と結合した状態で備蓄されているので、グリコーゲンが失われると一緒に数倍の水分も排出されるのです。
もちろん、食べ過ぎた場合も同じです。
正月に実家に帰って体重が2~3㎏増えたみたいな場合も、体内のグリコーゲン量が増えたことが大きな要因です。
1~2㎏程度の体重増減なら、主にこのグリコーゲンと水分の変化といえるでしょう。
塩分の減少
わたしたちの身体の水分には一定量の塩分が含まれます。
この塩分は、多すぎてもダメですし少なすぎてもダメ。
そして食事などから大量の塩分を摂取した場合、体内の塩分濃度を薄めるために大量の水分を保持しようとします。
味の濃いものを食べた翌日にむくむのはこのためなんですね。
ダイエットなどで食事の量を減らすと、多くの場合塩分の摂取量も減りますよね。
ダイエット開始直後の急激な体重減少には、この塩分量減少による水分排出も含まれます。
脂肪の変化
脂肪はダイエットで一番落としたいもの。
そして、急速には変化しないものでもあります。
脂肪が増減する主な要因はカロリー収支。
つまり消費するエネルギーと摂取するエネルギーのバランスです。
消費するエネルギー量が多ければ、カラダの脂肪を分解して燃焼させることでエネルギーに変える。
逆に摂取するエネルギー量が多ければ、余分なエネルギーは飢餓になった時のために脂肪として貯蓄されてしまいます。
そして体脂肪は1㎏あたり7200kcalもの熱量を持っているので、脂肪を落とすためにはその分エネルギーを消費しなければなりません。
7200kcalは、体重60㎏の人が時速8㎞/hで12時間ランニングしたときのカロリー消費量に相当します。
しかも当たり前ですが、運動で消費するエネルギーのすべてが脂肪からというわけではありません。
消費したカロリーのうち一定量は糖質からまかなわれるため、脂肪1㎏を燃焼しようと思えば実質20時間以上のランニングに相当する運動量が必要になります。
「脂肪は、すぐには落ちないんです」
「難儀・・・とても難儀なの・・・」
筋肉の変化
筋肉も体重に変化を与える要因です。
筋肉は脂肪と比べて比重が重いため、同じ体重でも筋肉の割合が多いほど細くなります。
逆に、見た目には細い人でも筋肉量が多いと体重は意外と重かったりすることも。
筋肉量は主にカロリー収支と運動習慣で増えたり減ったりします。
脂肪と同じように、アンダーカロリーの状態なら筋肉量は減り、オーバーカロリーの状態なら増えます。
ただし何の運動もしなくても増える脂肪と違って、筋肉は適切な運動をしないと増えません。
また、筋肉は脂肪以上にすぐに変化しません。
特に増やすのにはかなりの時間がかかるので、根気強くやってくことが大切です。
「筋肉量を変化させるのが一番大変なんですね」
ダイエットの場合の体重変化
ここからはケースワークとして、ダイエットを始めたばかりの体重の変化について解説しようと思います。
まず、ダイエットを始めたときって、おおむねこんな感じで体重が落ちていきます。
初めに一気に落ちて、その後は緩やかになる。
始めの体重減少は主に水分が減ったもの。とはいえ水分だけでなく脂肪も落ちています。
筋トレなどの運動を行わない場合、その後の体重減少は筋肉と脂肪が半々くらい落ちていくともいわれますが正確なところはわかりません。
おそらく個人差が多いでしょう。
実際にはもっと停滞する時期がありますが、ざっくりならすとこんな感じ。
筋トレをしている場合はこんな感じになります。
筋トレをしている場合、あまり筋肉量を減らさずに脂肪を落とすことができます。
番外編 宿便について
体重を変化させる要素としてもう一つあるのが宿便です。
宿便というか、胃から腸の内容物と言ったほうがいいですね。食べたものがたまっていけば当然体重は重くなります。
逆に胃や腸が空っぽになれば体重は軽くなります。
これもおそらく1㎏前後は体重に影響を与えるのではないでしょうか。
体重変化の要因としては、主にこんなところですね。