4回以上の減量経験から考える「部分痩せ」と「部分太り」の可能性
ダイエットといえば、だれもが気になる部分痩せと部分太り。
これについてはとんでもないデマカセみたいな情報も多々あり、ダイエット界隈はもはや修羅の様相を呈しています。
結論から言うと、部分痩せや部分太りの方法は無い!とは言い切れないが、実用レベルではほぼ無理かと。
今回は著者の知る範囲での情報と経験をもとに、部分痩せと部分太りの可能性について考えてみました。
部分痩せ
ダイエットをしている人にとっては、部分痩せができるかどうかはとっても気になるトピックですよね。
結論から言うと、脂肪を落とすことによる部分痩せはほとんど期待できません。
部分痩せはできない
まずこちらの記事【脂肪燃焼のメカニズム】で詳しく書いていますが、脂肪燃焼はホルモンによる作用でコントロールされています。
どこかでエネルギーが必要になったら、全身の脂肪が分解され必要な部分に運ばれます。
つまり基本的には脂肪は全体的に落ちていくということ。
脚の運動をしたら脚の脂肪が使われる・・・ということではないんですね。
なので基本的には部分痩せはできないと考えられます。
「よくある「二の腕の脂肪を落とすために二の腕のエクササイズをする」みたいなのも基本的にほとんど意味がないということです」
「そうなんだ!?」
ただし部分痩せの可能性は示唆する研究などもある
ここまでは基本的なメカニズムに沿って、部分痩せについて考えてきました。
ただし、一部の研究ではしっかりと筋肉が発達している部分は脂肪が落ちやすくなる可能性は示唆されています。
筋肉の多い部分は脂肪が落ちやすい可能性
東京大学の石井直方教授の研究チームの発表では、筋肉の組織自体が脂肪分解を促進する物質を出しているということが発見されたそうです。
これは先ほどまで説明してきた中央主権型の脂肪燃焼のメカニズムだけでなく、局地的な脂肪燃焼のメカニズムもあるのではないかという発見です。
ただし、実際のダイエットを行ってきた著者自身の経験から言うと、その影響はかなり少ないと言わざるを得ません。
これは実際に行った実験ですが、 腹筋運動を全く行わないで減量をした場合と腹筋を頑張って筋肉量を増やして減量を行った場合。
どちらのパターンでもおなかの脂肪は順調に落ちました。
正直言って差はほとんどわかりません。
著者の感覚では影響があるのかないのかわからないレベルです。
もちろん個人差はあると思うので、局地的な脂肪燃焼のメカニズムが強く働く遺伝子を持った人もいれば、そうではない人もいるでしょう。
けれど、実用的にはほとんど影響がないだろうと・・・。
よく動かす部分は脂肪が落ちやすいという意見
こちらは研修などのデータは見たことありませんが、よく動かす部分は脂肪が落ちやすくなるというのはいろんなところで言われることですよね。
身体の性質としては、よく動かすところには脂肪はつきすぎないほうが効率がいいです。
なので、よく動かす部分は脂肪が落ちやすいというのはあり得る話だとは思います。
ただし、著者自身の経験上は「あまり関係ない」というのが正直な意見です。
まず筋トレによる影響ですが、これは先ほども書いた通りですね。
特定の部位をトレーニングをしたパターンとしないパターンで、脂肪の落ち方に体感としてわかるレベルの差はありません。
では有酸素運動ではどうでしょう。
著者はかつて自転車をやっていたことがあります。
趣味レベルですが、月間で1,000km以上走っていて、レースに出たりもしていました。
自転車では主に脚を動かしますよね。
ですが、当時一番痩せたのは脚ではなくお腹ですし、脚の脂肪が特に落ちやすかったという感じはしなかったですね。
ということで、少なくとも著者のカラダでは、エクササイズの種類による脂肪の落ち方の違いは体感できませんでした。
このことから、基本的には部分痩せはできないものと考えています。
脂肪以外での部分痩せ
脂肪燃焼による部分痩せはほとんど期待できない。
なら、脂肪以外ではどうでしょうか?
結論から言うと、脂肪以外を落とす部分痩せは可能です。
脂肪以外で太さに影響を与えるのは主に3つあります。
- 筋肉量
- むくみ
- 筋肉のハリやコリ
筋肉量による部分痩せ
筋肉は部分的に落とすことができるので、筋肉減少による部分痩せは可能です。
↓部分的に筋肉を落とす方法はこちらの記事を参考にしてみてください↓
むくみの解消による部分痩せ
脚にむくみが出てむくみ太りしている人のように、特定の部分がむくんでしまう人。
この場合、その部分の血流を改善してあげるなどで部分的にすっきりさせることができると思います。
ただし、むくみの改善によるすっきり感は一時的なもの。
一時的にむくみを解消しても、生活スタイルを改善しない限りその部分はむくみやすいままなので注意が必要です。
筋肉の凝りの改善による部分痩せ
デスクワークなど凝りやすい仕事をしている方は、凝りすぎて背中や肩が腫れたみたいに膨れていることがあります。
こういった筋肉の過緊張などによる部分的な膨張は、しっかりとほぐしてあげることによって改善が可能です。
僧帽筋や背中がもりっとしていかつく見える場合、には有効な可能性がありますね。
ただし、これもむくみ同様一時的なもの。
生活を改善しない限り、凝りやすい状態は変わりません。
「脂肪以外ならある程度部分痩せってできるんですね」
「どうしても、効果は一時的なものになってしまいますけどね」
部分太り
次に、部分太りについて見てみましょう。
こちらも結論からお話すると、脂肪による部分太りはできないと考えるのが妥当です。
部分太りはできない
脂肪がつくのは、私たちの食べたもののエネルギーが、消費したエネルギーよりも多い場合です。
余った脂質や糖質、たんぱく質が、肝臓や脂肪組織内で脂肪に変換されます。
この時、どこに脂肪がつくのかは自分で選ぶことはできません。
「脂肪はつく場所も落ちる場所も選べないということなのです」
部分太りができるという主張
ただしネットや雑誌などでは、部分的に太ることができるという主張を見かけます。
そういった部分太りができるという主張の妥当性はどうなのでしょうか。
調べるてみると部分太りができるという主張には、2つのパターンがありました。
①食べ物によって太る部分が違う
以前ツイッターでこんな画像が流れてきました。
どうやら雑誌の引用らしいですが、これによると食べるものによって脂肪の付く場所が変わるとか。
この方は全否定されてますが、中には肯定的なツイートで数千RTされているものも。
吸収の過程を考えると、食品によって太る場所が変わるというのはないだろうなと思います。
わたしたちが食べたものは、様々な消化酵素の働きで細かい栄養素レベルまで分解されて吸収されます。
肉も魚も、ケーキも、ごはんも、クリームシチューも。吸収される頃にはアミノ酸であり、ブドウ糖であり、脂肪酸やグリセリンになっているのです。
そしてそれらの栄養素は血管や筋肉、脂肪になりますが、特定の食品由来の栄養素は背中について、特定の食品由来の栄養素だけが膝裏につくなんてのは考えづらいです。
ということで、食べたものによる部分太りはできないと考えられます。
「食品の違いで太る部分がかわるなんてのはナンセンスなのです」
「少なくとも、脂肪の付く場所は変わらないでしょうね」
②老廃物やからだの流れ
次に出てきたのが、老廃物の蓄積などでリンパや血流が流れづらい部分に脂肪が蓄積しやすいというもの。
流れが滞ってる部分に脂肪がつきやすく、落ちにくいというのは可能性としてはあると思うんですが・・・
これも部分痩せの理論同様微々たる差しかないでしょう。
また仮に可能だったとして、意図的にそういった流れづらい部分を作ることが困難だしできたとしてもまあまあ苦痛を伴いそうなんですよね・・・
「部分太りもあまり現実的ではなさそうですね」
「そういうことです。脂肪がつく場所はほぼコントロールできないと考えましょう」
筋肉による部分太り
脂肪以外でなら部分太りは可能です。
部分太りのために使うのは・・・そう、筋肉です。
これまでの記事でさんざんご説明していますが、筋肉は脂肪と違い部分的につけることができます。
太らせたい部分にしぼって筋肉をつけることで、その部分のボリュームをつけることができます。
ただし、脂肪と同じボリュームの増え方ではないですね。あたりまえですが。
部分痩せ 部分太りまとめ
結論として、部分痩せも部分太りも、どちらも基本的にはできません。
おとなしく筋トレをしましょう。
以上です。